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『田中塾ブログ』は2009年から2011年まで公開していました。記事の中からいくつかを抜粋しました。

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先生、覚えられないよ!

定期テスト前になると泣きついてくるのはKさんです。

「先生、頭が悪くて覚えられないです。」深刻そうな顔つきです。

そのような子ほどふだんの勉強に熱心ではありません。

解決をあと延ばしして、逃げ場がなくなるとパニックになります。

クールダウンさせながら、覚える作業に導かなければなりません。

「先生はいつも見ているけれど、頭がわるいわけではないと言い切れるよ。」

まずは、はげますことから。

「何を覚えようとしているか見せてごらん。」

英単語なり漢字なり覚えようとしている全体量を把握させます。

「こんなにたくさんをどうやって覚えようとしたの?」

自分が行った暗記法を認識させます。

「そんなんじゃ、覚えられるわけないじゃないの。デジカメで写すわけではないんだし。」

 覚えられないとすがりついてくる子どもは、「楽して」「速く」「たくさん」覚えようとしています。

それができないと短絡的に「あー、自分はダメだ」とガックリきます。

ですので、その逆だと気がつかせねばいけません。

つまり誰でも「辛くて」「遅いし」「少し」しか覚えられないのだと。

「もう少し工夫しないとね。覚えて忘れていじけて、また覚えて忘れる繰り返しだからね。」

究極の魔法のような暗記法はありません。

自分にあったものを見つけるためには、試行錯誤が必要です。

ノートやカードにまとめたり、声を出したり身振り手振りを使って。

指導する側は、いろいろやらせて過程を見ながら、また創意工夫や努力をほめながら、矯正しなければなりません。

暗記したものが「記憶」として昇華しているかどうかです。

 たくさん無駄な努力をした子どもが、自分だけの最高の暗記方法を手にいられます。

 

 

2018年11月25日

わかりやすく「しかる」

「田中先生、こどもをしかるのにはほとほと疲れ果てました。」とある親御さんがため息をつかれています。

いろいろな考えがおありかと思いますが、田中のしかり方を紹介します。気をつけている点は、

「感情を入れてはいけない」

「しかることを我慢してはいけない」

「何に対してしかられているかわかりやすくする」

しかるときはその場で機械的にしかります。

しかるのを辛抱して一度に爆発すると感情がでてきます。

感情が加わると「しかる」ではなく「怒る」ことになります。

支離滅裂で子供を罵倒するだけでは、何のためにしかるか本末転倒になります。

また、知らずにストレス解消のためにしかるのも困りものです。

「おまえのために言っているんだ」とどなりながら、このしかり方は効果があるのかどうか冷静に観察しなければならないと思います。

しかられた子どもは子どもなりに、保護者の言動を頼りに修正しようとします。

けれどもその指示が具体的でないとしかられる意味がわかりません。

なぜしかられるのかととまどうだけです。

悪い例です。

 保護者「しっかりしなさい」

 子どもの気持ち(しっかりするためにはどうするの?)

 保護者「大人になりなさい」

 子どもの気持ち(どうしたら大人になれるの?)

 保護者「ちゃんと考えなさい」

 子どもの気持ち(何をどう考えるの?)

 保護者「親の言うとおりにしなさい」

 子どもの気持ち(何をどうすればいいの?)

 保護者「勉強しなさい」

 子どもの気持ち(勉強のしかたがわからないんだけど)

できるだけ具体的に、子どもが何が自分の欠点であり、保護者が何をしてほしいのか、そのためにはどうすればよいか、などを飲み込めるしかり方が有効です。

子供の成長に合わせて、段階的に表現や内容を変えるのも大事です。

また、同時にほめることも大切です。

しかられたことを矯正できた子供には、たくさんほめてやります。

「しかり上手はほめ上手」と言われるゆえんです。

 

2018年11月25日

小5「扇形と中心角」

 

中1の3学期に苦労する子どもは、小5の時理解不十分だったのです。

教えやすそうで、実は概念を定着させるのが難しい単元です。

あるとき図形が苦手だったJさんをじっくり観察して気がつきました。

「扇形を円の変形したもの」と誤認しているのです。

つまり「つぶれた形」ととらえています。

そういう子は多いです。

「扇形を円の一部」と教えるようにしてから、うまくいくようになりました。

注意すべき点は、

・長さと面積を混同させない。

・周りの長さは実際に一周させてみる。

・扇形は円をイメージさせる。

・扇形の半径や中心角はいちいちなぞらせる。

 時間が許すかぎり「作図」をまじえて教えたいところです。

2018年11月25日

あやとりブーム

Fさんがあやとりを持っていたのをきっかけに、塾ではプチブームになっていました。

田中は「ふたりあやとり」「ひとりあやとり」「ほうき」くらいの腕前です。

Gさんが家から本を持ってきてくれたので、「一段はしご」~「六段はしご」をマスターしてみんなに披露しました。

全く興味を示さない子と非常に興味を示す子に二分されます。

示さない子は

「複雑でわからない。」

「本を見ても何が何だか。」

「幼稚園の時もできなかった。」

示す子は、

「不思議で面白い。」

「できるとうれしい。」

もちろん勉強が終わってからですが、Hさんらにせがまれていくつかを教授しています。

 

 

2018年11月25日

勉強の仕方 ①

「うちの子どもは、勉強のしかたがわからないようです。教えてやってください、先生。」

というご要望は保護者から多々聞きます。

田中からの返答はひとことです。

「とりあえず勉強させてみましょう。」

納得いかないような顔をされます。
 
塾では何か勉強のできる魔法をかけてもらえるのだろうと期待している子どももいます。

努力しなくとも楽に直ぐに勉強ができるようになって、成績が上がる。

そのような他力本願的な甘さでは、結果は出ません。

まずそこに気づいてもらうことが先決です。

「学問に王道なし」と言われ、全くその通りだと思います。

「勉強のしかた」は講義を受けて身に付くものではありません。

いろいろ試して、効果を見て、失敗して、反省して、矯正していきます。
Dさんはやっと「勉強のしかた」をマスターしたようです。

定期テストの準備では、範囲を正確に把握して、覚えやすいようにまとめ、集中して覚え、類似問題を解き、理解できないところを田中に聞き、もう一度確認してみる。

まるで流れ作業のように淡々とこなしています。

成績も上々。ここまで1年半以上はかかりました。

当初は、「先生、何をすればいいのですか?」

「次は何ですか?」

「どのくらい覚えればいいのですか?」

といちいち命令を受けないと勉強が始まりませんでした。

近頃では「後は暗記をするだけなので自宅でできます。」

と頼もしいかぎりです。

こうなると高校、大学へと将来の学問へ通じることができます。
 
塾で学んでほしいことはこの「勉強のしかた」です。

定期テストや受験の勉強はそのための練習台みたいなものです。

逆はありえません。

 

2018年11月25日
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