「汚い字」を書く子ども

 

田中が作る教材は、解答欄をなるべく大きくしています。

漢字練習や慣用句などでは大き過ぎて、エコに反すると批判が出るほどです。

それでも、大きくしっかりとした字を書かせることにこだわっています。

これは日常的に体得する方法しかありません。
 
汚い字を書く子どもを、なるべく早期に矯正しようとしますが、なかなか労多いものになります。

何年もかかる場合もあります。

「大きくはっきりと字を書きなさい!」と何百回となくしかり続け、苦労した経験がある親御さんがおられると思います。

しかし子どもの性格に根ざしたものですので、なかなか良くはなりません。

観察してみると大きく分けて、「面倒くさがりタイプ」と、「気が弱くて自信がないタイプ」に多いです。

前者に対する田中の矯正法は、「汚い字を書いていると自分が困る」と自覚させる助言を具体的にすることです。

例えば計算の途中式などで、

「この行からこの行へ写すとき、字が汚くて読み違えたでしょ。」

「しっかりした字を書かないから、『6』と『b』を混乱したでしょ」

また、

「漢字を思い出すとき、画像が小さいと印象が薄いでしょ。」

「英単語のスペルが覚えられないのは、母音をはっきり書かないときでしょ」

など、繰り返しデメリットを具体的に示します。

そして大きくはっきり書くメリットを加えて諭します。

「ケアレスミス」もそうですが、本人が気がつくまで状況が変わることありません。

最近Eさんの字体が改善されてきました。

理由を尋ねると

「間違えも少なくなるし、大きくきれいな方が記憶に残るから。」

このように自覚できればもう大丈夫です。

学力も上がっていきます。

ここまで数年の歳月を費やし、数え切れないほどの忠言をしました。辛抱しながら気長に指導するしかありません。

また、後者の気が弱くて自信がないタイプの矯正は楽です。

ただ「ほめてやること」ですぐに改善されます。

大きくきれいな字を書けたら、本人が照れるくらいいっぱいほめてあげましょう。

2018年11月25日