Pさんの強情

小学生のPさんは、日々確実に自分のペースで学習を進めています。

現況では学習習慣と基礎力を定着することに重きを置いています。

しかし、性格的に人と比べて「できた、できない」など気にする傾向があり、それが学習の妨げになることがあります。

本来時間をかけなければならない単元より、「あの子と同じプリントがしたい。」

または「あの子よりもっと難しい問題を解きたい。」と敵対心をあらわにすることがあります。

その姿勢は積極的で一概に否定されるべきではないのですが、いつも飽きっぽくそのあとの辛抱が足りません。

自分の言動に責任をとることと、コツコツ努力することを今のうちに体得して欲しいものです。

以前「どうしてもこの理科の問題集をやりたい。」と言ってきたことがあります。

理由はわかりませんでした。

問題のレベルが高く、投げ出すことは明らかなので「今は理科よりもっと算数の計算をしなければならないよ。この問題集は難しすぎるし。」と説得しましたが、どうしても「やるんだ」と強情をはります。

無理矢理拒否するのも何かと思い了解しました。ただ、ひとつ条件を出しました。

「途中で投げ出さず、最後までやること。」

Pさんと固い約束をして進めましたが、案の定、しばらくして飽きてきます。

「先生、やっぱりこの前の算数のテストが悪かったから、理科をやめてそっちをがんばります。」などといいわけを言ってきました。

しかし変更は認められません。

「最後まで仕上げるという約束はどうなりますか?」

「でも私には難しすぎるし・・・」

「難しすぎることは初めからわかっていたでしょう。」

しばらくすると理科の宿題を放棄するようになりました。

「宿題は先生との約束です。すぐに家に帰ってやってきなさい。」と叱ることもしばしばでした。

それからいくつかの確執がありました。

結局は難しい問題の割愛を許しましたが、最後までやり遂げさせました。

Pさん、田中とも相当なエネルギーを費やしたイベントでした。


勉強とは単なる知識の伝達ではありません。このようなやりとりを通して、Pさんにはいくつか気づいて欲しいことがあるのですよ。

 

2018年11月25日