ストレスと反抗期の違い

Aさんは、ただいま反抗期真っ盛りです。

子どもから大人への過渡期の不安定な時期です。自我ができ始め、自分の印象を良く思われたいので、背伸びをしたり意地を張ってみたりしています。

思い通りに行かないとそのイライラをお母さんにぶつけているようです。

親を否定することで偉くなったような気がするのでしょうが、外ではまだまだ自分に自信がなく小さくなっています。

家庭内と家庭外とのギャップが激しいのも典型的です。

反抗期は思春期特有のはしかみたいなもので、こじらせなければ心配することはないと思います。

かえって感情的に叱りすぎたり、放任するのは逆効果で長引かせる可能性があります。

子どもは、反発しながらも毅然とした親の態度をよく見ています。

身近で一番の見本ですから。

しかし、イライラの症状が似ているものの全く違うのは、「ストレス」状態にある子どもです。

例えば仮にBさんという子どもがいて、
毎日「面倒くさい」「やる気がない」とダラダラしていたとします。

親は反抗期だと判断しますが、実は大きなストレスを抱えた故の不安定状態である場合があります。
 
おおざっぱに子どものストレスの原因は二つあります。

ひとつは「人間関係」で、ほとんど友だち関係や部活での先輩とのぎくしゃくに悩みます。

親との関係や先生方など、大人との関係はほとんど原因になりません。

二つ目は、「疲れ」です。

何事にも体力的に度を超すとイライラしがちです。

不思議なもので、本人は遊んでいて楽しいと感じながらも

疲れを貯めていることもあります。

例えばテレビゲームや深夜アニメ、パソコンに没入する子です。

眼の下クマができて、集中力がなくなりますのですぐにわかります。

また、部活や学校行事や習い事で、端から見て充実した生活を過ごしていると思われていながら、暗い顔をしている子どもがいます。

いろいろ無理して、本人にも気がつかないうちに疲れによるストレスが重なってきているのでしょう。

対処法としては、一つ二つ生活の負担を外して楽にしてやることを勧めています。

今どきの子どもには、尻をたたいて困難に立ち向かわせ、成長させるという手法は合わないと思います。


思春期特有の反抗期なのか、またオーバーワークによるストレス状態なのかの診断は必要です。

その子を観察して、反抗できるだけ精神が成長をしているかどうかを基準にするのはひとつの方法だと思います。

まだ幼い子はいやなものから「逃避」はできても、「反抗」はできないのからです。

 

2018年11月25日