満足してしまう子ども
「追い込み」という言葉があります。
受験直前になって一心不乱に勉強をすることです。
「ラストスパート」と同義です。
Fさんは受験生で「追い込み勉強」の真っ最中ですが、田中から見ると勉強量は全く足りません。
「最近勉強している?」と尋ねると「はい、しています」と自慢げです。
塾での追い込み勉強に質、量ともすっかり満足してしまっています。
ですので、家庭学習でより多く勉強をするという動機がありません。
ご家庭で親御さんが「もっと家でも勉強しなさい」忠告されているようですが、
「塾でがんばっているから、もう必要ない」と反発するそうです。
このようなタイプは、これまで勉強をしてこなかったけれど、受験が近いから塾に行って勉強をしようという子に多いです。
少しの量と時間でやり遂げた満足感を得てしまいます。
勉強の習慣がない子と言えます。
反面Gさんのように習慣づけができている子は、当たり前のように塾でも家庭でも学校でも進められます。
「これくらいで大丈夫だろう」という線引きをすることはありません。
毎日歯を磨くように勉強できます。
それではFさんのようなタイプをどう改善したらいいでしょうか。
「三つ子の魂百まで」と言われますが、幼い頃身につけた性格や習慣はなかなか変えられません。
子どもに習慣を付けるより、
一度付けられてしまった習慣(勉強しない習慣)を外す方が大仕事です。
残念ながら田中には効果的な方策がありません。
せめてできることは、「勉強が足りないね」と言い続け、Fさんが自分自身に気づかせることを促します。
そして、「もっとこうすれば、こうなるのに。」と達成可能な身近な目標を示します。