速すぎる授業の進み具合
ご存じの通り、2002年より続けられたいわゆる「ゆとり教育」が見直されました。
授業数などは30年ぶりに増えることになりました。
その新たな学習指導要綱による学習が、小学生は来年度から、中学生は再来年度から始まります。
その先行実施が昨年度から行われていまして(移行措置)、授業内容が徐々に増えています。
あらかじめわかっていたことなので、田中塾では春期講習、五月の連休など平年より多く授業を行ってきました。
しかし、今回の期末テスト範囲の量などを見ると、平年の1.3~1.5倍はあります。
子供たちには負担を少なくと、学校授業の予習を心がけていますけれど、あまりにも学校授業のスピードが速く、後手に回ってしまいました。
特に中3はこの期間に修学旅行が入り、学校授業時間が少なく、子供が理解したかしないかは度外視に、カリキュラム通りの進度は緩むことはありませんでした。
塾では文書でお知らせしたように、6月から中2と中3は休日返上で補習を行っています。
中1にも勉強させたい子に声をかけていますが、どうしても部活や遊び中心になっている子供には、無理がきかないようです。
特に知識の血肉化に時間がかかる「数学」を心配しています。
繰り返し言うようですが、単元の講義や問題の解き方を何度か聞いたくらいでは、テストで解くことはできません。
自分の頭で手で何度も練習を重ね、問題を解かねばなりません。
口を開けて待っているような姿勢では何の進歩もありませんし、仮に誰かに栄養を流し込まれても、吸収することはできないでしょう。
スポーツと同じく、身体が勝手に動くように解けるくらいでないと、本番では通用しません。
幸いにして今回の期末テスト準備は、十分時間がかけられたと思います。
中3の「平方根」では、逆に平年以上に時間をかけ丁寧に学習できました。
子供たちは試験一週間前からの勝負だと思っていますが、実は違います。
一週間前までどれだけの土台を造れたが勝負になります。
それさえしっかりできていれば、暗記だけの勝負です。
子供たちは残り一週間もあれば、一人で登っていけます。
前回の中間テストの準備をしている時に、子供たちにこう言いました。
「中間テストの範囲だけではなく、より先の範囲を勉強しなさい。そうしないと次の期末テストに間に合いませんよ。」
このアドバイスを聞いて実行していたMさんらは、いい結果を示してくれるでしょう。
反面、中間テストのことしか目に入らなかったDさんらは苦戦するでしょう。
テストに出る出ない、勉強して損か得かなど近視眼的な学習ではなく、
少しだけでいいですから遠くも見ていてほしいと思っています。