時間をかける

子供の性格や能力は千差万別で一筋縄にはいきません。

一緒に勉強してすぐに目に見える成果が現れる子供と、なかなか結果が出てこない子がいます。

面談の折り親御さんには、田中が観察した分析と理由を述べた後に、

「この子は時間がかかると思います」と率直に申し上げる場合はあります。

「早くても半年は見て下さい」「一年は見て下さい」と申しても、ご理解いただけるのはありがたいことです。

 中学の定期テストなどの成績や順位などは、範囲が決まっていますので、その科目の先生が利用するプリントや前年度の問題で対策を立てると、

すぐに点数が向上します。

しかし、それはたまたまそのテストができただけですので、決してその科目ができるようになったわけではありません。

子供本人も「自分はできるようになった」と勘違いしがちです。

そういう付け焼き刃の勉強の仕方では、成績が下がるときはすぐですし、本当の学力が試される受験には通用しません。

お預かりした子供には、もっと遠い将来に結びつくような確固たる学力を身につけてもらいたいと思っています。

 第一に時間をかけるべき子供に課するのは、

「型を身につける」ことです。

いわゆる「勉強の仕方がわからない」と言う子供は、この型ができていません。

具体的には例えば英語なら、「英文をきちんと書く」

「わからない単語は調べる」

「きちんと日本語にしてみる」

「単語熟語を何回も練習して暗記する」

「暗記できたか確認する」

「問題集を解いてみる」

「間違ったところを納得する」

「忘れた頃にもう一度解いてみる」といった流れ作業になります。

これらの作業を最初からできる子はいませんので、日々の学習の中で身につける訓練をしなければなりません。

一度この型が身に付けば、自主学習、家庭学習ができるようになりますから、大きな強みになります。

他の科目にももちろん通用します。

反対に早熟の子に多いですが、反射神経や記憶力だけの勉強がうまくいっていて、型を身につける訓練をしなかった子供は大成は難しいです。

Aさんに今ちょうどその訓練をしています。

もう少し早い時期に行うべきででしたが、ぎりぎりのタイミングだと思います。

この「型を身につける」ための時機は限られているのです。
 

2018年11月25日