旧塾生Aさんのこと

Aさん(女子)が始めて塾に来たのは中2の学期末でした。

保護者が嫌がるAさんの首に縄をつけてつれてきました。

一目で反抗期まっただ中、自分のやりたいことはやるが、やりたくないことは一切しない時期だとわかります。

保護者は、時間が来れば自然に改善するだろうと楽観していたようですが、中3になる前にしびれを切らし無理矢理通わせることにしたようです。
 
Aさんの話を聞くと、

「自分は馬鹿だから勉強をしても無駄です。

勉強をしなくても困るのは自分だけで、親に迷惑をかけるわけではありません。だから、放っておいてほしいのです。」

なるほど理屈は通っています。

まず、そのように論理的なことを言えることをほめてやります。

いろいろ話を聞いた後に、

「それなら、なぜ塾に来たの?」

すると、

「勉強ができなくて恥ずかしいからです。」

「誰に対して恥ずかしく思うの?」

「友だちや後輩の見る目が冷たいのは嫌です。」

「それじゃ、理解できないところをクリアーにしていこうか。」
 
それから、Aさんと何が理解できていないかを納得させる作業に取りかかります。

一覧表を作らせたりして、具体的に目に見えるようにします。

それには学習を進めながら数ヶ月かかりますが、Aさんのような性格の子には大事なことです。

これまで漠然としていた勉強に対する悩みを整理し、処方を提示する。

さらに今勉強している単元の意味づけをしてやる。

後はもともと力のある子どもですから、学習は面白いように進んでいきます。
 
「何がわからないかわからせる」。こんなあたりまえの指導ですが、効果抜群です。

 

2018年11月25日