省略される言葉

子どもたちの話す言葉が極端に短くなっている、という傾向はここ数年顕著になってきました。

いろいろな理由が考えられますが、ひとつに英語の教科書が会話中心になってきたことと関係あると思います。

2レベルの英文を例にとると

①「Did you have a good time?」の和訳をたった一言「元気?」ですましています。

同様に

②「Did your uncle wash his car? 」を「おじさん、車洗った?」、授業やテストでは正解になります。

時制、主語、代名詞などは全く気にしていません。

田中は子どもたちに「きちんと一語ずつ日本語にしなさい。」と指導していますので、上の日本語では正解になりません。

①「あなたは楽しい時を過ごしましたか。」

②「あなたのおじさんは彼の車を洗いましたか。」と文節ごと和訳させます。

学校ではこんな面倒くさいことはしないと不満げな子どももいますが、後々のことを考えると譲れないところです。

Nさんは低学年の頃より英会話教室に通っています。

英検には標準より早い段階に合格しています。

英語が好きで楽しく勉強しています。

もちろん現時点ではなにも問題ありません。

しかし、一語一語きちんと英文を文法的に読んだり、ていねいに日本語にする訓練をしないままでは、

受験英語には対応できないのではないかと心配しています。

高校受験の際、何となく解けてしまうような選択問題や適語補充問題はこなせるでしょうが、本当の語学力が求められる長文読解や英作文には歯が立たないでしょう。

 

2018年11月25日