この時期の中1の子どもたち(7月)
寒暖が激しい気象の上に、ゲリラ豪雨が続く毎日です。
毎年同様ですが、この時期の中学1年生の子どもたちは、心身共に大変そうです。
つい4月には、中学生として新たな環境に輝かせていた眼が、どんより曇ってきます。
緊張と期待が一気にほぐれて、精神的に不安定になる時期でもあります。
第一に、肉体的に疲労がたまってきます。
学校の日常生活、部活活動も本格的になります。
宿題や提出物なども多く課せられ、追われるように過ごしている子もいます。
不器用で要領の悪い子は、睡眠時間を削らなければなりません。
第二に、学習面に負担を感じ始めます。
一つ一つの教科の重みやスピードが増し、ついて行くのにやっとで、「あー、小学生にもどりたいな」とこぼす子どもが出てきます。
英語は新しい教科として、初めのうちは興味津々でしたが、暗記することがらが多すぎて、「私には覚えられない」となげやりな言動もチラホラ出てきます。
第三に、成績順位などを示されて、自分の限界を目の当たりにします。
小学校の頃は、テストや成績表の数値はあいまいでしたが、明確に数値化されます。
結果がよかった子の優劣感と悪かった子の劣等感が、子ども同士の人間関係に微妙な影を落とします。
ライバル意識の誕生といえるものでしょうか。
あんなに仲のよかった子たち、いつも一緒の子たちが、離れて新しいグループを形成していきます。
そんな子どもを見ていながら、しっかりと勉強させなければならないのですが、あまり無理をさせられません。
強く言い過ぎたり、叱りすぎたりすると、「私は勉強には向かないから、勉強しても無駄だ」
という学習コンプレックスを与えるリスクがあります。
田中の観察では、短絡的に物事を決める傾向にある子どもが増えてきたと思っています。
たった2回のテストの結果で、「あー、自分はだめだ」と、すぐ悲観的になります。
Gさんなどは、よい結果とはいえないですが、「先生、2回の中学のテストを受けて、やり方がわかってきました。次は大丈夫ですよ」とめげていません。
こういう子は少しずつですが、自分なりの勉強の仕方を修正しながら上っていくでしょう。
Hさんは、2回のテストではまだ自分の欠点を見つけられないようです。
自分の足下をしっかりしなければなりません。
まずは毎日の授業を大切にすることです。
試験前だけ血眼に勉強しても、本当の栄養にはなりません。
Qさんの結果は素晴らしかったのですが、田中が全然ほめないので不満なのだそうです。
安定感がないので、もう少し型をきっちりさせなければいけませんね。
Iさんは何番以内になると、欲しかったものを買ってくれるそうです。
本人なりにがんばっていましたが、順位ばかり気にして空回りしていました。
Iさんは頑固な性格です。
それがよく機能すると納得するまで考え抜き、どんどんレベルを拡張できます。
しかし、悪く機能すると、独りよがりの聞く耳を持たない下手な勉強方法になります。
もうすぐ夏休みです。
ここ何週間は塾に通うのも大変な子がいました。
田中のほうも待ちに待っていました。
学校の授業は進みませんので、ゆっくり時間をかけることが出来ます。
先に未消化のところを復習し、そして、2学期も大忙しの時期ですので、なるべく余裕が出来るように負担が軽くなるように、予習中心の夏期講習になります。