暗記と知識

Aさんはよく「私の頭では覚えられませんから、勉強ができません」と投げやりになることがあります。

しかし、暗記が得意であることは、直接学力につながるのでしょうか。

勉強は暗記であり、記憶力が頭の良さだと言われます。

子供たちの中でも覚えられる子は尊敬の対象になります。

 例えば、中3の子供たちに「基本熟語」を百数十個暗記させています。

すぐに覚えられる子もいれば、なかなか時間がかかる子供もいます。

熟語の確認テストや、小テストをすれば一目瞭然の優劣がつくのですが、それが直接には学力には関わりがありません。

例えば「be interested in~」→「~に興味がある」

と機械的に覚えるだけでは不足です。

そのような単純な問題は入試には出題されません。

この熟語の「be」を主語や時制によって選択できるようになり、この熟語は受動態であり、後ろには名詞や名詞節が続くということ、さらに動詞なら動名詞に変化させなければならない、ということを理解して初めてこの熟語を理解できたと言えます。

そうなれば、並び替え、適語選択、書き換えなどの問題に対処でき、入試レベルに対応できるようになった、本当の知識を手に入れたということになります。

反対に暗記は苦手だけれど、問題を解くのはうまい子がいます。

四択問題などで消去法で器用に解いてしまいます。

しかし文章を全訳させたり、英作文などは上手にできません。

このような感覚だけで解く方法では、英検などの問題形式には通用しますが、

本格的に学力を試されるテストには通用しません。

高校受験生にとっては、だんだん作業のような暗記の学習から、本格的な知識を身につけ応用力を養い受験に対応できるような勉強法に移っていく時期になってきました。

それに切り替えさせるのは教える側の技量でもあります。

酷暑の毎日ですが、子供たちと精進しています。

 

 

2018年11月25日