思春期のAさんと反抗期のBさん

思春期と反抗期を別々に考えられている親御さんがいます。

しかし、本来は13歳から18歳の不定愁訴の時期全体を思春期と呼び、その間の反抗する一定の時期を反抗期と呼びます。

つまり思春期の時期に数年間、反抗期が入る構造になっています。

他に思春期の間に鬱期がはいるパターンもありますし、思春期であるのに反抗期がない、または表に出てこない子供もいます。

思春期になると

・自分という存在が重くなってきて、友達と比較し優越感や劣等感を持つようになります。

・異性に強い関心を持つようになり、異性の目を気にします。

・自我が生まれ初め、親や先生や周りの大人に不満を持ち、反抗するようになります。

場合によっては社会全体に漠然とした嫌悪感を持つこともあります。

Aさんは数ヶ月前から思春期に入ったようです。

勉強中でもそわそわし落ち着かないようです。

目がきょろきょろ動くので、周りをずいぶん気にしている様子がわかります。

身体もだるそうで、ため息をつくこともあります。

こういう子供には学習の負担を軽くして、少し楽をさせるのが良策だと思います。

後々困らない程度の量を短時間で行う効率性を重視します。

ホルモンのバランスなどで体調は芳しくないので、無理をさせても逆効果になります。

Bさんは思春期であるの上に反抗期でもあります。

感情の起伏が激しく、やはり学習に集中できません。

このような子は、結局時間が解決するのですが、早く大人の考え方を身につけることにより、徐々に静まっていきます。

対応する大人としては、大変なのですが真っ正面からぶつかるべきだと思います。

本人は好きか嫌いかの短絡的な判断しかできません。

そこに何が良くて何が悪いかの善悪の基準を論理的に示します。

言葉だけではなかなか通じないこともありましょう。

また、子供が感情的になったときには、こちらの感情を示すことも大事です。

他者とぶつかりながら、自分だけではなく人間は誰でも同じ感情を持っていると実感させます。

そうしながら、自分と他者との区別や距離感を確立していくのです。

Bさんの話を聞くと、家ではお母さんとガンガンと言い合いをしているそうです。

これなら反抗期がこじれることはないでしょう。

反対に放任して、自我が王様のように拡張したり、病的にいびつになるのは心配です。

本来は大人数の中で友達や先輩大人たちと揉まれる中で、自我や社会性を見つけていきます。

しかし少子化や核家族化、地域社会の変化などで、子供にそういう場が少なくなってきたように思われます。

当初田中塾では、学年によるクラス分けをしていました。

が、小学生、中学生が一緒に学習するようになって十数年が過ぎました。

地域の塾として子供が年代を超えて揉まれる必要があると考えているからです。

 

2018年11月25日