最高の教え方

先日の某カフェにて、隣の席で大学生風の男子学生が、高校1年生の女子を教えている風景を眼にしました。

家庭教師として自宅で教わるということではなく、定期的にこのような場所を利用しているようです。

じゃましないようにじっくり観察しました。

教科は数学です。

穏やかな口ぶりですが、男子学生の熱心さは伝わります。

しかし、男子学生は教えているのではなく、自分で問題を解きその過程を見せているだけにすぎません。

女子は気をつかっているのかうなずくそぶりを繰り返しますが、理解はできていないようです。

このような教える側の未熟はよくあります。

数ヶ月後、男子学生がその失敗を気づくまで続けられるでしょう。

教える技量は失敗を重ねる量に比例して進歩します。

田中もそうでした。試行錯誤を重ねつつ段階的に進歩していきました。

第1段階は「問題を解いてみせることができる」教え方。

大学生講師などに多いですが、子供のペースを気にすることなく進んでいきます。

第2段階は「生徒と一緒に解くことができる」教え方。

教壇で演じているだけではだめだと気がつくと、子供と二人三脚で進め始めます。

フィールドバックの重要性を意識します。

第3段階は「理解させることができる」教え方。

様々な子供たちを教えていくことによって、問題の意味と解答に導く方法をわからせることができるようになります。

子供が躓きそうな所を先に回避できる教え方もできるようになります。

第4段階は「学力として定着させられる」教え方。

「解き方」は時間とともに薄らぎますが、「考え方」は一度身につくとどの教科にも応用が利きます。

 そして「最高の教え方」とはなんでしょう。田中はこう考えています。

第5段階は「教えることなくわからせる」教え方。

何か禅問答のような感じがしますが、極力教えることなく子供が自分で考えられ、自主的に進んでいける学習環境を整えるような教え方です。

教え方に体系性が加わると近いものになります。いわゆる「勉強のしかた」を教えることになります。

田中自身この域にはまだまだです。ひとつの道だと思っています。

 

2018年11月25日